2018/03/30

映画レビュー『ワンダー 君は太陽 WONDER』あらすじ【ネタバレあり】

ワンダー 君は太陽』は2017年のアメリカ映画です。

生まれつき顔に障害を持つ少年が、小学5年生で初めて学校に通うことになったところから物語は始まります。
それによって起こる学校の子どもたちとの摩擦やいじめ、心の傷、そして友情が芽生えていく様子や、それを見守る家族の愛情などが描かれていきます。

母親役にジュリア・ロバーツ。
子役には映画『ルーム』の演技で天才子役と称されたジェイコブ・トレンブレイ。

『ルーム』は、10代後半で誘拐され、7年間もの間監禁され、誘拐犯の子どもを産んで育てなければならなかったジョイと5歳になった息子のジャックとの閉ざされた生活と脱出のお話です。
実際にあった「フリッツル事件」を元に映画化された作品で、多くの賞を受賞した衝撃作なので、機会があったらぜひご覧ください。

とてもリアリティがある映画になっていて、これが実話なのだと思うと本当にぞっとします。このような監禁事件は日本でも起こっていますし、世界ではいくつもの事例がありますね。
その子役を見事演じた少年が、このワンダーの子役を演じているのですから、期待通りのさすがの演技力です。

可愛い顔に特殊メイクを施し、目をそむけたくなるような傷のある独特な顔になってはいますが、そのしぐさや演技は可愛さを隠せません。
初めて学校に通い、同級生から距離を置かれたり、いじめられたりする少年の心をうまく表現しています。



『ワンダー』はニューヨークタイムズ・ベストセラーリスト第1位の小説の映画化、原作が全世界で800万部突破、制作が『美女と野獣』のスタッフということで、映画に対する期待も高まります。



ワンダー 君は太陽




オーガストことオギーは生まれた時から顔に障害を持ち、何度も繰り返し手術を受けたのですが、顔には傷が残り、初めて会う人は思わず目をそむけてしまいたくなるほど痛々しさが残る顔でした。

そのため家庭で母親が勉強を教えてきたのですが、小学校5年生になる機会に学校に通うことになります。

人に会う時は顔を隠すためヘルメットをかぶっているオギーですが、初めての登校日、学校の前でヘルメットを脱ぐのです。

学校では3人の学友代表がオギーを案内するために待ちかまえています。
自分のことばかり話す女の子と、二人の男の子。
この二人の男の子がこれからのオギーのスクールライフに大きく影響を与える存在となります。


初めは距離をおかれているオギーですが、ジャック・ウィルとは少しずつ打ち解けて仲良くなっていきます。




ハロウィンはオギーが大好きなイベントでした。

なぜなら仮装で顔を隠すことができる唯一の日だから。


オギーは仮装のマスクをかぶってハロウィンを楽しみますが、オギーが近くにいるとわからずに、クラスメイト達がオギーの悪口を言っているのを偶然聞いてしまいます。


仲良くなれたと思ったジャック・ウィルまでが、「あんな顔だったら自殺しちゃうよ」と自分の悪口を言っているのを聞いてしまい、オギーは深く傷つきます。

オギーは翌日からジャック・ウィルを避けるようになり、ジャック・ウィルはなぜオギーが突然自分を避けるのかわからないまま戸惑います。



この映画の面白いところは、オギーだけに焦点をあてているのではなく、姉のヴィアと友だちのミランダとの関係にスポットをあてたり、ジャック・ウィルの視点から描いたり、色々な角度から物語を展開しているところです。

それぞれの事情や心情がわかりやすく描かれているので、感情移入もしやすいと思います。


どこか『スタンド・バイ・ミー』を思い出させる子どもたちの友情や関係性があり、見る人の心を揺さぶり、そして、ずっと心に残る作品だと思いました。

後味の良い映画なので、多くの人に見てほしいと願います。


WONDER ワンダー



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