日本初演30周年となるミュージカル「レミゼラブル」を観劇しました。
映画の方は何年か前に見ていたのですが、舞台はこれが初です。映画は本当に素晴らしく、演者達の歌の迫力と映像に深く感動しました。その映画はこのミュージカルをベースにしたものなので、今回は「本家を見に行く」という感じです。
原作はフランスのヴィクトル・ユゴー。19世紀初頭のフランスを舞台にしています。1985年にロンドン初演、日本では1987年に初演。全世界の観客数7000万人突破という、世界の演劇史を代表する作品です。
映画は2012年に監督トム・フーパー、出演ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ他で制作、公開されました。撮影と同時にキャストの歌声を録音するという試みはそれまでには無かった手法で、圧倒的な臨場感とスケール感を生みました。
ミュージカル「レミゼラブル」@帝国劇場はジャン・バルジャン、ジャベールなどの主要キャストはトリプルキャストになっています。私が観劇した回はジャン・バルジャンが韓国のヤン・ジュンモさん。ファンテーヌが知念里奈さん。マダム・テナルディエが森久美子さんでした。
パンを一つ盗んだというだけで19年間も投獄される運命となったジャン・バルジャン。仮出獄した彼を待ち受けていたのは世間の冷たい仕打ちでした。
銀食器を盗んで逃げたジャン・バルジャンをかばってくれた司教の温かい心により、ジャン・バルジャンは改心し、新しい人生を歩こうと決心するのです。
ジャン・バルジャンはマドレーヌという名で新しい人生を生き、やがて工場の経営者となり、市長にまで上り詰めます。
そんなジャン・バルジャンと運命的な出会いをするのがファンテーヌとその娘コゼットでした。死にゆくファンテーヌはジャン・バルジャンに娘コゼットを託します。ジャン・バルジャンはコゼットを自分の娘として育てていくことになり・・・。
ジャン・バルジャン役のヤン・ジュンモさんは実に完璧な日本語で歌い、韓国人であることを全く感じさせませんでした。2015年に日本と韓国でジャン・バルジャンを演じ、今年のレミゼラブルは日本で二回目の出演となるそうです。その圧倒的な歌唱力は、韓国人でありながら日本でジャン・バルジャンを演じるに値する、いえ、それ以上の説得力を感じさせました。
ファンテーヌからお金をもらって預かっているにも関わらず、コゼットにひどい仕打ちをし続けるテナルディエ夫妻。その妻マダム・テナルディエを森公美子が演じます。言わずと知れたその迫力ボディは、舞台上でもその存在感を見せつけてくれました。
コミカルなアクセントをこの悲しい物語に加えてくれて、観客の笑いを誘い、場を和ませてくれます。歌はもちろん素晴らしい。大きな肉の塊のような体を楽器に変えて、美しい声を奏でます。衣装からのぞく胸はまるで二つのサッカーボール。まるまるとした体型は森公美子さんの武器ですね~。立っているだけで他の人の2倍は存在感があるのですから。
知念里奈さんは、涙を流す迫真の演技と美しい歌声で、不幸なファンテーヌを舞台上に実存させていました。表情が豊かで、表現力があり、近年のミュージカル女優としての活躍に納得させられました。
帝国劇場は「王家の紋章」以来、久しぶりでしたが、やはりとても良い劇場でした。客席は比較的見やすく、座席もそれほど疲れません。ステージは奥行きがあって、次々と現れる豪華なセットも迫力があります。
帝劇ビルの地下にはレストランもたくさん入っているので、観劇の前後に食事をしたりするのに不自由もありません。
ただ、幕間のトイレはものすごく混雑するので、要注意です。劇場外の地下トイレにまで行列ができますから(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿