ロサンゼルスを舞台としたジェラルド・バトラー主演のクライムアクション。
DEN OF THIEVES
1年に2400回、週に44回、1日に9回、48分に1度という頻度で銀行強盗が起こる世界の銀行強盗中心地ロサンゼルス。
午前5時14分に、ガスマスクの強盗が警察との銃撃戦で警官を殺害。ガスマスクの一味の一人も死亡した。
ガスマスクの集団は現金回収前で空だった現金輸送の装甲車を奪い逃走した。
とあるバー。閉店後に車に乗り込もうとしたバーの店員ドニーが何者かに襲われ拉致される。
ドニーが目覚めると、そこには数人の男女。
「誰かと人違いしてる?」とドニーが尋ねるが、男たちはドニーが過去に犯した軽犯罪の前科を知っており、店の客について白状するよう脅される。
「俺はただの運転手だ」とドニー。
「なぜ空っぽの装甲車を盗んだ?」
男が聞く。そう、ここにいる男たちは郡保安局の保安官だったのだ。
ボスコという元軍人の白人に小遣いがほしいと言ったら仕事を紹介してくれたのだと結局ドニーは白状する。
仕事というのはメリーメンという男の元で運転手をするというものだった。
ハワイでドニーはメリーメンに初めて会う。
そして、運転のテストということで一緒に車に乗り込んだ。
「運転が得意だって?」と聞くメリーメン。
「シートベルトを」とドニーがメリーメンに忠告するが、メリーメンはシートベルトをしない。
ドニーがものすごいスピードで走りだし、トラックの脇をすり抜けると、メリーメンは思わずシートベルトをする。
ドニーはテストに合格。メリーメンの元で働くことになった。
一方、郡保安局のニック(主人公)の家庭は崩壊していた。
妻は娘を連れて家を出ていってしまう。
ニックは娘に「今は無理だけど、後から行くよ。心配しなくていい」と声をかけるが、そんなニックを妻は冷たく突き放す。
メリーメンたちは銀行強盗で得た大量のお金を持っていたが、銀行から盗んだ金は全部番号が控えられており、足がつくので使うことができない。
番号が控えられていない「クリーンな札」を手に入れることがメリーメンの最大の企みだった。
これだけ銀行強盗が頻発しているLAでも、連邦準備銀行だけは不落の要塞だ。
今まで53回銀行強盗が押し入ろうと試みたが、受付すら突破できなかった。
この連邦準備銀行では各銀行から旧札が集められる。
古い札はシュレッダーにかけられ、ゴミとして処分される。
このゴミとして処分される札には番号の記録がシステムから消されるので、足がつくことのないクリーンな金といことになるのだ。
そして、このゴミになる札は毎日100ドル紙幣だけでも3000万ドルという大金だった。
メリーメンはこの金を強奪する計画をたてていた。
ドニーが中華弁当の配達員となって、連邦準備銀行の食堂に入り込む。受付で入行パスをもらい、食堂に弁当を届けた後、トイレの中の天井にもう一つ持ってきた弁当と入行パスを隠す。
メリーメンが強盗に入った。しかし、それは連邦準備銀行ではなく、ピコリビエラ銀行だった。
人質をとって立てこもったメリーメンたちは、支店長に電話をかけさせる。
「1時間以内に印のない少額紙幣で1000万ドルと満タンのヘリを用意しろ。要求がかなえられるまで、1時間に一人ずつ殺していく」
メリーメンは支店長に金庫を開けさせる。
「金がまだ用意できない」という市警に対し「人質を殺す」と言い放つメリーメン。
そして人質が一人連れていかれて銃声が鳴り響く。
そして、銀行内で爆発音。
ニックが強行突入すると、銀行内に犯人たちはいなかった。
爆破によって大きな穴があけられ、殺されたと思った人質は生きていた。
メリーメンたちの目的は本当はその小さな銀行などではなかったのだ。
メリーメンたちはピコリビエラ銀行の現金輸送を騙って連邦準備銀行に入る。
紙幣の入った大きなボックスを2つ連邦準備銀行に運び込むが、その一つはほとんど空で、中にドニーが潜んでいた。
連邦準備銀行の電源を操作し、そのすきにドニーがシュレッダーにかけられる寸前の紙幣をビニールにつめ、ゴミの回収車に積み込ませる。
ドニーはその作業が終わると通気口を伝って、トイレに行き、隠しておいた弁当と入行パスを持って食堂へ。
弁当を配達し、連邦準備銀行を出ようとする。
入行の記録がないことから受付に疑われるが、なんとかごまかして外にでるドニー。
メリーメンたちもうまく連邦準備銀行からゴミの回収車を強奪し、脱出。
しかし、ニックたちがおいかけてきたため、渋滞した道路上で銃撃戦となる。
銃撃戦の果てにメリーメンはニックに撃たれて死亡。
ドニーと強奪された紙幣が忽然と消え、その行方はわからないままだった。
ロンドン。
ある店ではたらく男がいた。それはドニーであった。
【ネタバレ注意】
この壮大な銀行強盗の計画を練り実行した真犯人は実は他ならぬドニーだった。
ドニーが調べ、メリーメンにもちかけ、実行にうつすようメリーメンたちを誘導していたのだった。
ドニーはタイヤに強奪した紙幣を隠し、ロンドンでそのタイヤの到着をしたたかに待っていたのであった。
デン・オブ・シーヴス |
【感想】
最後に「おまえだったのか!」というどんでん返しもあって、エンタテインメント性は高い映画。
メリーメンたちが銀行強盗を企てる計画がよく練られていて、普通の銀行強盗ものとは一味違うところがいい。
主役のニックはそれほど目立たず、どちらかというと悪役のメリーメンやドニー、その他のメンツの存在感の方が大きい。
単純に楽しめたし、見て損はない映画だと思う。
人にすすめるとしたら10段階中の7くらいかな。